バドミントンダブルス理論

・T&B 前衛のネットからの距離について

*応用編では様々な考え方を載せています。序章、基本編と違い一般的な考え方では無いものも含まれる場合が
ありますので、ご自身で考えた上で参考にしてください。意見等もお待ちしております。

1 前衛は何をするべきか

 前衛とは、ダブルスでいったいどのような事をすればいいのでしょうか。ざっとあげてみると、、、

1.ネット前の甘いシャトルをプッシュ
2.ネット前のシャトルをヘアピン
3.ドライブ等に対してネット前へストップ
4.ドライブ等に対してドライブ
5.切り替えしに対して後衛のカバー

 ここで忘れてならないのは、バドミントンがアナログだということです。ヘアピンかドライブか、ではなくその間の中途半端なシャトルがあることも頭にいれておいてください。

2 全てのシャトルをカバーする位置

 上記5項目を全てカバーするとしたらかなりの守備範囲になってしまいますが、それはそれで必要な技術です。パートナーを追い込んでしまったのは前衛の責任もあるので、そのつもりでカバーします(図-1参照)。

 見てわかるように、ポジションはほとんどシングルスのポジションと思って頂いて構いません。パートナーの逆側に飛んでくるシャトルをカバーするには前を犠牲にしてでもカバーが必要になる場面です。

 実際このように守らなければならない場合は、前述の有利不利で考えてもほぼ五分になります。パートナーのスマッシュのコースとスピードによりますが、このような位置を取る場合は

1.パートナーはスマッシュを打った
2.そのスマッシュはラリーを取れるようなスマッシュではない
3.相手はほぼ万全な体勢でシャトルをレシーブしている

 上記の条件で、このようなポジションをとらなければなりません。

3 条件によりポジションが変わる

 では、2の条件2項目に当てはまらない場合は果たしてどうなるのでしょうか。

1.パートナーはドロップを打った
2.相手はラケットを下げながらシャトルを拾いに来た

 この条件になると、1の5項目の中で
3.ドライブ等に対してネット前へストップ
4.ドライブ等に対してドライブ
5.切り替えしに対して後衛のカバー
  これらの可能性が無くなります。それは、ドライブなり切り替えしなりはネットの最高点から近い高さでシャトルを捕らえなくてはなりません。ラケットを下げてドロップを拾いにきている時点で3と4の可能性は無くなります。5も、ドロップのようなネットから近いシャトルでは速いシャトルでの切り替えしは不可能で、大きく上げるロブになるでしょう。ロブなら後衛がカバー可能です。つまり5の可能性も無くなるのです。

 では、その時のポジションはというと、1と2を考えればいいだけなので、前の方になります(図-2参照)。後方はまったく気にしないでいいので、思い切って前に詰めます。ただし、この時前に出すぎると、真横へのフットワークが必要になってしまいます。人間は真横に動くのは得意ではなく、しかも目は正面についているので、サービスライン前ぐらいを目安に詰めるのがいいでしょう。

 前衛の判断は、とにかく素早く、そして素早くポジションをとらなければなりません。相手のレシーブコースを読み、パートナーのショットも読めるようになれば、おのずとポジションは見えてきます。


 

 

 

図-1 前衛の位置

 

 


図-2 前衛の位置-2