バドミントンダブルス理論

6.サイドバイサイド→トップアンドバック

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6-1 サイドバイサイドからトップアンドバックへチェンジするには

 トップアンドバックからサイドバイサイドへのチェンジは、守備から攻撃への大事な起点になります。それだけに相手に打つコースも難しいですし、相手もそう簡単には攻めさせてくれません。それだけに、いろいろなパターンを身につけてゲームに臨みたいところです。

6-2 相手のクリアによるポジションチェンジ

 まず最初に、少し他力本願的なチェンジ方法です。こちらがクリア、ロブでシャトルを相手の後方へ大きく返した場合、前記したようにスマッシュの可能性があるのでサイドバイサイドになっています。そのシャトルを相手がスマッシュやドロップを打たずにクリアで返してきた場合にこちらのポジションチェンジのチャンスになります。

図-1参照

1.相手クリアで返球
2.シャトル下へ移動
3.パートナー前衛センターへ移動
4.後衛スマッシュ(もしくはドロップ(*1)等攻めるシャトルを)
5.後衛センターへ移動

 ここが難しいところなので後程細かく説明しますが、「3」と「4」の順序が逆になっては絶対にいけません。初級者の方はこのイメージが大変掴み難いと思いますので、ここではこのようなもので覚えて行ってください。

6-3 相手ドロップからのポジションチェンジ

 では次に、相手がドロップショットを打ったところからのポジションチェンジです。前記の相手クリアと違い相手はまだ攻める気でいるので、そこで駆け引きと正確なショットが必要になってきます。
  相手がドロップですので、それがよっぽど甘く入ってこない限りは、こちらからヘアピンで勝負していくことになります。

図-2 参照

1.相手ドロップ
2.シャトル落下点へ移動
3.パートナー後衛センターへ移動
4.前衛ヘアピン
5.前衛センターへ移動(相手ロブかヘアピン)

 ここでの注意点は先程も書いたように、相手も攻める気でいる事です。最重要点は、4の時に相手に攻められないように細心の注意を払います。その為には2でどれだけ早く、高い位置でヘアピンを打てるかどうかにかかってくるでしょう。ヘアピンでは相手を避ける為に、単純なストレートだけでなく、スピンをかけたりクロス、ラインぎりぎりを狙っていくのもいいでしょう。とにかく相手前衛のタッチを遅らせなければなりません。
  それと、クリア時と同じように、3と4の順序は変えてはいけません。さらに2と3がほとんど同時に行えることがベストでしょう。

6-4 相手スマッシュからのポジションチェンジ

 最後に相手スマッシュからのポジションチェンジです。今回はレシーブコースを複数載せてみました。

図-3 参照

1.相手スマッシュ
2.レシーブ
a ストレートへドライブ
b ストレートへネット前
c クロスへ短め
d クロスへ長めに大きく
3.前衛へ移動
4.後衛へ移動

 相手がスマッシュを打ってくるということは前例にあったシャトル落下点への移動がほとんど無くなります。その為、ラリーはスピーディーに、尚且つパートナーの素早い判断も必要です。相手のストレートへのスマッシュの返球はだいたいこんなところですが、adに関しては前衛に触られない事が条件になります。bcも、少しでも甘いとプッシュを受けてしまいますし、相手もその為にスマッシュを打ってきています。なんとかコントロールして相手の攻撃を避けてください。

6-5 サイドバイサイドからトップアンドバックでの注意点

 兎に角、最初の主導権は相手にある状態です。それを無理やりこっちへ持って来ようとする訳ですから、そう簡単にはいきません。ラリーを続けてチャンスのシャトルを待つというのもいいですし、少しずつ自分のペースに持っていくのも良いでしょう。このプレーがゲームを進めていく上で最も大事なプレーと考えてもいいかもしれません。これさえできれば主導権を握り返す事が可能になり、攻め続けたり、わざと攻めさせて攻め返すというゲームメイクもできるようになります。それだけに難しいプレーなので、様々なパターンを練習するといいと思います。

 

図-1 相手クリアによるポジションチェンジ

*1 【ドロップ】後衛からオーバーストロークでネット付近へ落とすショット

図-2 相手ドロップからのポジションチェンジ

図-3 相手スマッシュからのポジションチェンジ