バドミントンぷれいやーず

【バドミントン 練習のススメ】 3. 練習効果について

2.主な練習方法 << 3. 練習効果について >>4. 練習計画を立てる(準備中)


3-1 練習効果とは

 2-1で説明した練習方法だけで練習計画を組むのはあまりよくありません。はじめでも書いたように、練習とは選手の為であるべきものであって、練習方法は手段でしかありません。実際どのような力が選手に備わるのか、それが練習効果になります。この効果を得る為に練習内容を計画し、選手に理解させることで初めて練習がスタートし、最終的にその力を得る事で長い期間の計画が終わります。
 選手によっては得手不得手があったり、なかなかチーム全体で練習メニューを組む事は難しいかもしれませんが、選手一人一人の状況を確認しつつ、練習の効果を確認した上で練習を行いましょう。

3-2 どんな練習効果があるのか

 練習効果を大きく分けて説明します。実は1.1 はじめにで説明した4つのディマンドが最も大きな分類になりますが、ここではさらに分けて説明していきたいと思います。

・技術練習(ショット)

 一つ一つのショットを習得させる練習。最初はフットワークをあまり使わずにきっちりとラケットワークのみに重点を置く。
練習方法 ノック 一人練習
負荷 低いところから始め、最終的には強い負荷を与えながら正確さを求める。だが、決して息を上げる練習ではない。
 手投げノックでのスピンネット ラケットノックでカットやハイバック等を覚えさせる

・技術練習(フットワーク)

 ある場所から指定箇所への足の運びを確認させる練習。フットワーク練習は強い負荷を期待してしまうが、技術練習として行う場合は負荷は必要ない。体格により歩数に差が出るので注意する。
練習方法 一人練習
負荷 低く行い、習得度に応じて徐々に負荷を上げる
 コート中央から前方への移動方法を習得させる(シャセ、フロントステップ、バックステップ) コート前方でのヘアピン後のラウンドショットの足の運びを確認させる。

・精度向上練習

 技術練習で習得した技術の向上を狙う。ある程度実戦を意識させ、フットワーク、戦術を含めて練習を行う。
練習方法 パターン練習が望ましい。ノックで行う場合は、ショット後のシャトルをしっかりと確認させる
負荷 強めの負荷がかかる
 初級:ドロップ交互 中級:オールショート、オールロング 上級:前面を使用したパターン練習

・戦術確認練習

 精度向上練習で得た技術と戦術を実戦に近い形で確認させる。
練習方法 ゲーム練習 範囲を限定させた実戦練習
負荷 強めの負荷がかかる
 ゲーム練習 半面シングルス ロブ禁止等、制限をかけることで限定して戦術や技術を確認できる 

・体力向上練習

 ゲーム途中に技術が発揮できなくなることが無いように、体力向上を目指して練習する。
練習方法 パターン練習 ノック トレーニング
負荷 筋力への負荷も強めだが、心肺機能に強い負荷をかける
 2対1 3対1 全面フリー パターン練習の場合は5分〜30分と長い時間をかける。ノックの場合は1分弱のノックを5〜10セットほど インターバルダッシュ シャトルラン

・瞬発力向上練習

 神経系トレーニングを行う。素早い動作や判断力を鍛える。
練習方法 ノック トレーニング
負荷 強い負荷をかける
 短い時間(15秒前後)の目一杯の運動と同時間のインターバルを5セット〜10セット行う 椅子タッチフットワーク 

・筋力向上練習

 筋力アップトレーニングを行う。瞬発力向上練習で得たもののスピードアップを狙う。鍛える筋肉の部位とその用途を明確にして行う。
練習方法 トレーニング
負荷 鍛える部位により異なる
 筋力トレーニング 

・イメージトレーニング

 大会で練習の成果を最大限に発揮する為に行う。
練習方法 練習メモ 瞑想等
負荷 無し
 練習の反省と目標をノートに記入させる ゲーム時にポジティブな思考にできるように促す

3-3 疲労だけが練習ではない

 指導者が陥りやすいものに、選手が疲労する事がいい練習だ、と勘違いしている方がいますがこれは大きな間違いです。サービス練習や足を動かさないヘアピン練習、イメージトレーニング等にほとんど選手に負荷はかかりませんが、技術を習得する上で必要不可欠な練習です。選手に疲労を求めるのは指導者のエゴだと考えて下さい。効果的な練習こそが選手のレベルアップを生みます。

3-4 ジュニア世代の選手には

 上記の他に、ジュニア世代の選手にはいろいろな動作を入れた練習を入れてもいいかもしれません。時間が許すならば、鬼ごっこやドッチボール、サッカー等何をやらせても将来の為になるのがジュニア期、とにかく神経を鍛えなければなりません。逆に筋力トレーニングは、成長時期によっては控えたほうがいいでしょう。ただ、自分の体重ぐらいの負荷、もしくは小さめの負荷で、筋力アップというよりは体を作って怪我を予防するという意味で行ったほうがいいでしょう。